創業として伝わる1975年から半世紀。「明日香野」(明日香食品グループ)は一つの大きな節目を迎えました。
まず、これまで多くの消費者の皆様、顧客であるスーパーマーケット様、多くの仕入れ先様に長年ご愛顧いただきました。弊社が50周年を迎えることができましたこと、皆々様の温かいサポートのおかげです。心から感謝を申し上げるものです。
また、弊社を長年に渡り支え続けてくれている過去の、そして現在の多くのスタッフの尽力に心から感謝を申し上げます。
これからの21世紀中盤は、人口減少や人材不足の時代であり、またSNSや人と人の繋がりを通じた「共感の時代」となります。企業間の生き残り競争、人材獲得競争、共感構築競争が激化します。私たちには50年間受け継いだ3つの明日香野遺伝子と、この15年間で磨き上げた4つの力「財務の安定性」「リクルート能力」「人材登用力」、そして「共創コミュニケーション力」を活用して時代を乗り越えて参ります。
大阪で誕生した弊社は、当初商社として事業を開始しましたが1981年に工場生産を開始しました。そして1992年に「透明わらび餅」を開発するなど、「和菓子の産業革命」を継続する「産業革命遺伝子」を伝えて来ました。また93年にはラジオCM、2001年にはテレビCMを放送し、スーパーマーケット和菓子業界におけるマーケティングパイオニアとなるなど「コミュニケーション遺伝子」も明日香野の伝統です。
そして明日香野が常に大切にしてきたのは、消費者のみなさまに「お得感」を感じて、手軽に毎日食べて楽しんでいただけること。それができる力を常に磨き上げることを努力すること、そのためにコツコツ毎日積み上げる「お得感遺伝子」も明日香野の歴史の基礎でした。
2011年には現在の経営陣の祖型が定まり、2012年中期経営計画において、創業以来の歴史を総括し、未来を見据えて初めて『「ちょっと食べる」喜びを毎日世界へ』というミッションを定めました。私たちの 明日香野がお届けするのは、3度の食事に加えて食べる嗜好食。3度の食事のように「生」を支えるわけではありませんが、「ちょっとした喜び」を生み出します。家族の団らんのとき、ちょっと疲れたとき、ちょっとお腹がすいたとき、自分にご褒美を上げたいとき、ついつい手が出る おいしい一口。「ちょっと食べる」ことは人生をほんの少し、でも毎日「喜び」で埋め尽くす力があります。
この15年間、ミッションの下で、「スーパーマーケット向け、もち・団子集中」「ついで買いから指名買いへ」などのビジョンを次々と定め、「ラムネわらび餅」「大人の団子」などの多くの「お得感」のあるヒット商品をお届けしてまいりました。同時に、品質管理の高度化を進めて、検査基準値外(廃棄)件数は9割減少しております。
この間、働き方改革を進めて従業員の休日は大幅に増加し、残業時間は57.1%減少、有休消化率は2.7倍になりました。「週休2日・3日選択制」「外国人が快適に働ける職場構築」「アスリート雇用」「フレックスタイム」などを進めてスタッフの皆さんの多様な人生設計や「喜び」を支援しております。若手の登用を進めることで、60代中心で構成されていた経営陣は10歳以上若返っております。このように「リクルート能力」「人材登用力」を磨き上げてまいりました。
また、事業利益が約5.6倍に達し、本年末には無借金を達成する見込みであり、「財務の安定性」を積み上げてまいりました。
またSNSに注力し総フォロワー数約15万人を超えるスーパーマーケット和菓子業界のSNSリーディング企業となるとともに、2025年だけでも100以上のスポーツ・文化・大学祭などに協賛し、リアルコミュニティをお借りして皆様と交流を進めております。このように消費者の皆様との「共創コミュニケーション力」を深めて来ました。
21世紀半ば、すでに日本はどの業界も「生き残り競争」・危機の時代に入っております。そしてその時代は企業と消費者が「共感」でつながる機会の時代でもあります。この時代を勝ち残るため、明日香野は、3つの遺伝子を受け継ぎ強化しながら、4つの力を磨き上げて参りました。これらの成果を生かし、さらに発展させることで、ミッションである『「ちょっと食べる」喜びを毎日世界へ』を果たしてまいります。
今後とも顧客であるスーパーマーケット様や仕入先様、そしてスタッフの皆様に安心を持っていただけるパートナーであり続けるため、またコミュニティーの一員として消費者の皆様の友人となるべく、一意専心、「もちのプロ」として努力してまいります。今後とも皆様のご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
2025年11月
代表取締役社長 此下竜矢